2024年3月9日(日本時間)
ヘビー級10回戦(101.60キロ以上)
アンソニー・ジョシュア(WBC・WBO同級1位)VSフランシス・ガヌー(WBC同級10位)
開催地: サウジアラビア
配信: DAZN
ジョシュアとしてはMMA選手に負けることは恥であり許されない。だがガヌーの生物的強さは競技の常識を超越している。この試合の勝者が、ウシクVSフューリーの勝者と戦う流れになるだろう。
選手情報
アンソニー・ジョシュア
生年月日: 1989年10月15日 (34歳)
国籍: イギリス
異名: AJ
プロ戦績: 30戦27勝(24KO)3敗
元WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者
ロンドン五輪スーパーヘビー級金メダル
身長198cm・リーチ208cm・オーソドックス
過去の対戦相手: ウラジミール・クリチコ(⚪️11RTKO)、ジョセフ・パーカー(⚪️判定3-0)、アンディ・ルイスJr(①⚫️7RTKO ②⚪️判定3-0)、オレクサンドル・ウシク(①⚫️判定0-3 ②⚫️判定1-2)、オットー・ヴァリン(⚪️5RTKO)
オリンピック金メダリスト、元世界ヘビー級3団体統一王者という絵に描いたようなエリート。端正な顔立ちと筋骨隆々の肉体美。インスタフォロワー数は1,600万人と超人気者。
ファイトスタイル
ジャブから丁寧に組み立て、パワフルな右ストレート、ショートフックで仕留める。振りがコンパクトでパンチの精度が高い。ディフェンスはブロッキングとバックステップが中心。
弱点は打たれ脆さ。アンディ・ルイスJrに4度倒されTKO負けした試合は衝撃的だった。ややスタミナ不足なのも課題。
フランシス・ガヌー
生年月日: 1986年9月5日 (37歳)
国籍: カメルーン
異名: ザ・プレデター(捕食者)
プロボクシング戦績: 1戦1敗
元UFC世界ヘビー級王者
身長193cm ・リーチ211cm ・オーソドックス
過去の対戦相手: タイソン・フューリー(⚫️判定1-2)
エピソード
カメルーンの貧しい村で生まれた。両親は6歳の時に離婚。父親は有名なストリートファイターだった。ガヌーはギャングからの誘いを断り真面目に働いた。
26歳の時、ボクシングをやるために徒歩とボートだけでフランスに渡ったが、不法入国で逮捕され2ヶ月間投獄される。その後行くあてもなくホームレス生活を強いられる。
無料でトレーニングができるジムを探し、縁があり総合格闘技を始める。27歳で総合格闘家デビュー。わずか2年後、29歳の時にUFCと契約。そして34歳でUFC世界ヘビー級王者となる。
格闘家を志したのは、女手一つでガヌー達兄弟を育ててくれた母に楽をさせたかったから。ファイトマネーを家族に送るのはもちろん、祖国カメルーンに寄付し、格闘技ジムも建設した。
なんてサクセスストーリーなんだ。そして人格者すぎる。
ファイトスタイル
最大の持ち味は異次元のパンチ力。パンチングマシンでは世界記録を塗り替え、ファミリーカーで跳ねられるのと同等の数値だと分かった。MMAで培ったテイクダウンディフェンスにより体幹が強い。そして打たれ強い。
プロボクシング初戦で現WBC世界ヘビー級王者フューリーと対戦し、カウンター左フックでダウンを奪った。疑惑の判定でフューリーの勝利となったが、ガヌー勝利を推す声が多かった。
フューリー戦では、スウェー・ダッキングを駆使したディフェンス能力の高さも見せつけた。老獪なスタミナ配分も見事だった。
注目ポイント
ガヌーの人生はまさにサクセスストーリー。昔の苦労エピソードが、今の成功を引き立たせている。ジョシュアは本物中の本物であり強敵だが、ガヌーは先を見据えているに違いない。
それはこの試合に勝ち、フューリーVSウシクの勝者に挑み、UFCとボクシング両方で世界最強になることだ。ジョシュアには悪いが、カズキは全力でガヌーを応援する。
試合解説
両者入場。やっぱヘビー級はデカくて華があるな。
ヘビー級はだらしない体型の選手も多いが、ガヌーとジョシュアは無駄な脂肪がなく引き締まった体をしている。
1R
ジョシュアはまずボディージャブで丁寧に組み立てる。
ガヌーが右ボディー、左フックとパワフルなコンビネーションは放つがジョシュアは何なくかわす。
中盤以降もジョシュアはボディージャブをヒットさせる。ガヌーはいきなりの右ストレートを打ち込んだり工夫するが、ジョシュアはしっかりブロック。
ラウンド後半、ジョシュアはリードジャブで丁寧に距離を測り、右ストレートを一閃!クリティカルヒット!ガヌーが吹き飛ぶようにダウン!
なんて美しい右ストレートだ…
なんとか立ち上がったガヌー。ダメージは相当ありそうだ。あの打たれ強いガヌーが…
ジョシュアは焦らない。非常に冷静だ。
ジョシュアの右ストレートにガヌーが左カウンターフックを合わせにかかったが空を切る。1R終了。
1Rからいきなり動いた。これぞメインイベント。10-8ジョシュア
2R
ジャブを差し合う両者。さすがにジャブはジョシュアに分がある。
ジョシュアがノーモーションの強烈な右ストレートを打つがこれはうまくヒットせず。
ジョシュアはジャブを丁寧に上下に打ち分ける。
ガヌーがジャブを出した瞬間にジョシュアが右ストレート一閃!すぐさま左フック!またもやクリティカルヒット!
ガヌーは尻餅をつきダウン!!タイミング・精度・スピード・威力全てが完璧なジョシュアのコンビネーション…
ガヌーはなんとか立ち上がるが厳しいか…
再開後すぐさまジョシュアの爆裂右ストレートが飛ぶ!これもクリティカルヒット!ガヌーが仰向けに倒れる!主審はすぐにストップ!!
ジョシュアの2RKO勝ち!!!
圧倒的すぎる!!会場全体がスタンディングオベーション
客席にいるフューリーが映し出された。驚きを隠せない表情をしている
試合結果
ジョシュアが圧巻の2RKO勝ち!!!
あれほどの勝ち方をしたにも関わらず、表情ひとつ変えず落ちついていた。スーパースターの佇まい
感想
いや〜。正直ガヌーが勝つと思ってた。ところがどっこいジョシュアの圧勝だった。てかジョシュアは前戦のパフォーマンスといい、さらに強くなっている。
フューリーと互角だったガヌーにこの勝ち方をした以上、ジョシュアが現ヘビー級最強筆頭だと言っていいだろう。
ウシクVSフューリーの勝者はジョシュアと対戦して勝たなければ最強とは言えない。ウシクと対戦した頃のジョシュアと今のジョシュアは違う。
ガヌーは一旦休みMMAで再起することを願う。お疲れ様。
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