2024年3月3日(日本時間)
WBA世界フェザー級(57.15キロ以下)王座決定戦
オタベク・ホルマトフ(WBA同級1位)VSレイモンド・フォード(WBA同級2位)
開催地: ニューヨーク
配信: WOWOW
次世代のスター候補同士がWBAのベルトをかけて激突する。両者ともアマエリートで、すでに他団体の王者達より強いのではないかという意見もある。
カズキ的にレイモンド・フォードは久しぶりに衝撃を受けたボクサー。間違いなく本物。ぜひみなさん注目してほしい。
選手情報
オタベク・ホルマトフ
生年月日: 1998年7月22日 (25歳)
国籍: ウズベキスタン
異名: ブルース・リー
プロ戦績: 12戦全勝(11KO)
身長170cm・リーチ168cm・サウスポー
過去の対戦相手: 有名な相手おらず
ファイトスタイル
硬いジャブと左ストレートを武器に高いKO率を誇る。攻めのバリエーションはやや単調。スピードは平凡で、フットワークもほとんど使わない。
ジャーボンテイ・デービスのスパーリングパートナーを務めた際は、好スパーを演じたとの情報がある。
レイモンド・フォード
生年月日: 1999年3月16日 (24歳)
国籍: アメリカ
異名: 獰猛
プロ戦績: 15戦14勝(7KO)無敗1分
身長170cm ・リーチ173cm ・サウスポー
過去の対戦相手: ヘスス・マグダレノ(⚪️判定3-0)
ファイトスタイル
ハンドスピード・パンチへの反応何もかもが速い。スロー映像で見ないと何のコンビネーションで相手がダウンしたか分からない。KO率が高くないのはパンチ力がないわけではなく、リスクを極力負わないスタイルだからだろう。そのため手数はやや少ない。
アマ時代には、全米選手権王者ラミドに何度も勝利している。
注目ポイント
アマエリート、年齢、世界初挑戦と共通点が多い両者だが、ファイトスタイルは大きく異なる。ベルトを手にするのはパワーのホルマトフかスピードのフォードか。
SNSでは、フォードの実力を疑問視する声やホルマトフの勝利を予想する声があるが、カズキは迷わずフォードの勝利予想だ。
スーパーライト級で例えると、フォードはヘイニー、ホルマトフはエルガシェフ。ヘイニーとエルガシェフが対戦したらどっちが勝つと思う?つまりそういう事だ。
試合解説
両者入場。ホルマトフのデカさが目立つ。
1R
両者ジャブの差し合い。緊張感がある。ホルマトフのワンツーの左がフォードの顎に浅めにヒット。深く入ったら危なかった。
今度はフォードのカウンター右フックがかすめる。中盤から後半にかけてはフォードが鋭いジャブで主導権を握る。
終了間際にはホルマトフの強烈な左オーバーハンドが飛ぶがクリーンヒットはせず。
非常にハイレベル。ポイントを振るのが難しい。
見栄えのいい強打を評価し、10-9ホルマトフ
2R
フォードが本当に速い。高速ジャブをホルマトフのボディー・顔面と着実にヒットさせる。
ホルマトフも強烈な左ストレートを返すが、フォードはシャクール仕込みのディフェンスでまともにもらわない。
両者積極的に手数を出す。フォードはカウンター右フックを合わせ、簡単には近づけさせない。
するとホルマトフがいきなりの左オーバーハンドをヒットさせる。フォードは少しぐらつくがすぐに立て直し、逆にフォードがボディー・顔面と右ダブルをヒットさせる。フォードの攻めは多彩。
ラウンド後半、ホルマトフが強烈な右フック。フォードはブロックしたが、バランスを崩しコーナーまで大きくよろける。ホルマトフが詰めるが、フォードはクリンチでうまく対処。
終了間際にホルマトフが右ボディージャブからの左オーバーハンドをヒット。ホルマトフも引き出しが多い。
目まぐるしい主導権争い。10-9フォード
3R
ホルマトフが強烈な右ボディーを差し込む。フォードはすぐにクリンチ。
すると今度はフォードが左クロスカウンターをヒット。浅めではある。
ホルマトフが上下に畳み掛ける。フォードはうまく防いでるが、ガードの上からでも効かせてくるホルマトフのパンチ力。
ラウンド終了間際に打ち合いの中ホルマトフの左フックがクリーンヒット。軽めではあったが、タイミングが良くテンプル付近だったためダメージはありそう。フォードはクリンチし、なんとかこのラウンドを凌ぐ。
明確に10-9ホルマトフ
4R
フォードは顔面を警戒して、ガードをしっかり上げた構えでスタート。両者手数を緩めずカウンターを狙い合う。おもしろい試合だ。
フォードのカウンター右フックがヒット。ホルマトフも左ボディーストレートを返す。
ボディーをコツコツヒットさせるホルマトフ。フォードは再びL字ガードに戻す。
ホルマトフの左オーバーハンドの打ち終わりにフォードが左アッパーをヒットさせる。
ラウンド後半、ホルマトフは足を使い距離を取りながらボディーストレートをヒットさせる。フォードはやりづらさを感じ距離を詰める。
終了間際、近距離での打ち合いの中フォードが右ボディー2発ヒットさせてラウンド終了。
両者見せ場を作っていたが、10-9ホルマトフ
5R
開始早々両者近距離で打ち合う展開。ホルマトフはボディー攻撃を徹底している。
フォードが圧力をかけて上下に小気味よく手数を出す。ホルマトフは足を使い距離を取る。
フォードがペースを掴んできた。もしやホルマトフ疲れてきた?
フォードが強烈な高速コンビネーションを顔面にヒットさせる。ジャブの差し合いでも優位に立つ。
終了間際、リング中央での打ち合い。フォードが流れの中で左アッパーをヒット。ホルマトフもワンツーの左をヒットさせてラウンド終了。
フォードのペース。10-9フォード
6R
このラウンドもリング中央で両者打ち合う。両者ディフェンス技術が高く、簡単にはもらわない。
中盤フォードの右フック、左ストレートのコンビネーションがヒット。ホルマトフも打ち返すが、フォードには当たらない。
ジャブの差し合いでもフォードが勝つ。ホルマトフは疲れてきてるのか手数が減ってきた。
終了間際も両者近距離で打ち合う。互いにクリーンヒットなし。
10-9フォード
7R
このラウンドはホルマトフの手数が増え、上下に重いパンチを打ち分ける。フォードはしっかりブロック。
フォードも負けじとジャブを返し、ホルマトフの打ち終わりに右ボディーを差し込む。フォードは休まず鋭いワンツーを放つがこれはかすめただけ。
後半は両者頭がぶつかる距離で打ち合う。互いにボディーを入れ合うが、精度とスピードでフォードが優勢。フォードが危険なカウンター左ストレートを放つが、ホルマトフは上手くかわす。
難しいが10-9フォード
8R
ラウンド序盤、フォードの右ショートフックがヒット。ホルマトフがぐらつく。すぐにフォードは畳み掛ける。
フォードは攻勢を強め、接近戦でボディーを着実にヒットさせる。ホルマトフも反撃するが、フォードの左アッパーが綺麗にヒット。ホルマトフの顔が跳ね上がる。
ラウンド後半、ホルマトフは足を使い逃げ、フォードがジリジリ追いかける。フォードがジャブをコツコツ当てる。そして左アッパーもヒット。
フォードが支配してきた。10-9フォード
9R
残り4ラウンド。両者激しく打ち合う。ホルマトフが珍しくクリンチ。疲れが見える。
近距離でフォードのボディージャブが続けてヒット。ホルマトフも左右ボディー2発ヒットさせ譲らない。
終了間際、フォードのカウンター右フックは当たらず、ホルマトフのワンツーもことごとく空を切った。
どちらかに振るなら10-9フォード
10R
開始早々フォードの鋭いジャブがヒット。ホルマトフのジャブは当たらない。飛び込んでの左ストレートも当たらない。フォードは本当にディフェンスが上手い。
と思いきやホルマトフの鋭い左ストレートが浅めだがヒット。ホルマトフは被弾覚悟で強打を放つ。
後半ホルマトフが左右ボディー2発ヒットさせると、すかさずフォードが鋭い右フックをヒット。少しよろけるホルマトフ。
終了間際、揉み合いの中からフォードの強烈な右フックがクリーンヒット!これは効いた!今日1番の見せ場。フォードは無理に攻め込まずラウンドを終える。
明確に10-9フォード
11R
このラウンドも相変わらず速いフォード。ジャブを的確にヒットさせる。ホルマトフは前に出て1発を狙うが、フォードは巧みにかわしながら右フック、左ストレートと続けてヒット。
中盤フォードの頬から出血。ホルマトフのバッティングか?ホルマトフがチャンスと見てラッシュをかけるが、フォードはうまくブロックしながら打ち返す。
ラウンド終了までホルマトフが積極的に手数を出し、フォードが時折カウンターを合わせる展開が続いた。
積極性はホルマトフだが、精度はフォード。
難しいが10-9でフォード
12R
最終ラウンド。勝ったほうがチャンピオン。このラウンドもホルマトフが連打を畳み掛ける。フォードはあまり手数が出ない。
と思いきやフォードが左ストレートをカウンターで綺麗に合わせる。リング中央で頭をぶつけ合いながら両者打ち合う。
ラウンド後半はホルマトフの手数が落ち足を使い距離を取る。フォードが追いかける。両者手数が少なく静かに終わるかと思いきや、
フォードの右アッパーが綺麗にヒット!これは効いた!フォードはラッシュをかける!
そしてフォードの鋭い踏み込みジャブでホルマトフがロープに吹き飛ぶ!揉み合いホルマトフがスリップ。ダメージは明らか。
再開後フォードがラッシュをかける!ホルマトフがよろけて背中を見せて逃げる!フォードが仕留めにいくと主審がストップ!!!
フォードがTKO勝ち!!!!
これがレイモンド・フォードだ!!
嬉しさのあまり泣き崩れるフォード
試合結果
レイモンド・フォードの12RTKO勝ち!!!
レイモンド・フォードがWBA世界フェザー級新チャンピオン!!!
やはりカズキの予想通りレイモンド・フォードは本物だった。
11R終了時のジャッジペーパーでは2人がホルマトフの僅差リードで採点していたそうだ。。。劇的な勝利である。
感想
まさにフェザー級最強決定戦と言っていい内容だった。ホルマトフはパンチが強く、攻めの引き出しも多く素晴らしいボクサーだった。
強打者ホルマトフ相手にインファイトで打ち勝ったフォードは本物だ。そしてボディーをもらい続けても、効いた素ぶりを見せなかった。フォードが打たれ強いことが分かった。
今後としては、フォードはホルマトフとの試合が終わったらスーパーフェザー級に昇級することを示唆していた。フォードなら問題なく通用するだろう。
ますますフォードのファンになった。今後もレイモンド・フォードの試合は必ず特集する。
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