真価が問われる一戦 「イスマエル・バロッソVS平岡 アンディ」

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2024年9月3日

WBA世界スーパーライト級(63.50キロ以下)挑戦者決定戦

イスマエル・バロッソ(暫定ざんてい王者)VS平岡 アンディ(同級7位)

開催地:  有明アリーナ

配信:  Lemino

期待のホープとして慎重に育てられた平岡アンディ。今年で28歳となり、ようやく世界挑戦目前もくぜんに迫ってきた。

対戦相手のバロッソは41歳で見た目もおじいちゃんみたいだし、余裕で勝てるでしょ!!良かったなアンディ!!

っていう冗談はさておき。バロッソがとてつもなく危険なボクサーであることはボクシングマニアならみんな知ってる。大橋ジムのマッチメイクはさすがだ。

みなさん「井上尚弥VSドヘニー」「武居VS比嘉」よりこっちですよ!本当におもしろいカードは!!

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選手情報

イスマエル・バロッソ

生年月日:  1983年1月27日 (41歳)

国籍: ベネズエラ

異名:  EL Tigre (虎)

プロ戦績: 31戦25勝(23KO)4敗2分

現WBA世界スーパーライト級暫定王者

元WBA世界ライト級暫定王者

身長174cm ・リーチ175cm ・サウスポー

過去の対戦相手: アンソニー・クローラ(⚫️7RKO)、ローランド・ロメロ(⚫️9RTKO)、オハラ・デイビス(⚪️1RTKO)

ファイトスタイル

ボクシングマニアの中では隠れファンが多いバロッソ。おじいちゃんみたいな風貌からは想像つかないと思うが、一発の破壊力はこの階級でNo.1と言っていい。

S級 バロッソ>プログレイス>エルガシェフ>ライアン・ガルシア

A級 イサック・クルス>バレンズエラ>テオフィモ・ロペス

B級 マティアス>アントゥワン・ラッセル>平岡アンディ

鋭い踏み込みから体重が乗りまくった左ストレートを放つ。それが予想以上に伸びてくるため、かわすのは困難。相手が倒れるというより、もはや吹き飛ぶほどの威力。この歳だが追い足も機敏。

ローランド・ロメロ戦はレフェリーの分けの分からないジャッジでストップ負けにされたが、あの試合はバロッソの勝ちみたいなもんだ。

平岡 アンディ

生年月日:  1996年8月8日 (28歳)

国籍: 日本 (父はガーナ系米国人 母は日本人)

異名: Da Blade

プロ戦績: 23戦23勝(18KO)

身長182cm ・リーチ188cm ・サウスポー

過去の対戦相手: 佐々木尽(⚪️11RTKO)

ファイトスタイル

恵まれた身長とリーチを活かし、中長距離で相手を支配する。隙あらば強烈な左ストレートをぶち込むため、相手は不用意に近づけない

インファイトの対処も上手いフック・アッパーをねじ込みペースを渡さない。

ディフェンスは軽やかなバックステップで安全距離を保ちつつ、近距離ではダッキングスウェーで巧みにかわす。

2021年10月に体重超過した佐々木尽から3度のダウンを奪い11RTKO勝利。佐々木尽は現在ウェルター級でKOの山を築き、世界戦間近まで来ている。

注目ポイント

WBSSを制覇し4団体統一を成し遂げたジョシュ・テイラーは去年テオフィモ・ロペスに敗れ、もはや過去の人状態

プログレイスを圧倒するなど、PFP常連だったヘイニーが、ライアン・ガルシア3度ダウンを奪われまさかの判定負け。(ガルシアが大幅な体重超過に加え、試合後禁止薬物の成分が検出され無効試合にヘイニーは無敗を維持。)

階級最強との呼び声高く、長期政権を築くだろうと見られていたマティアスが、オーストラリア人のリアム・パロまさかの判定負けで王座陥落かんらく

目まぐるしく王座が入れ替わるスーパーライト級。この激戦階級で世界王座獲得を目指す平岡アンディに立ち塞がるバロッソ日本人として平岡アンディに勝ってほしい気持ちもあるが、バロッソおじいちゃんに意地を見せてほしい気持ちもあり複雑だ。

試合解説

並ぶとアンディのデカさが際立つ。。。

1R

立ち上がり遠い距離から鋭いジャブを放つアンディ。両者警戒し手数が少ない。

バロッソの踏み込みより、アンディのバックステップが断然速いバロッソの大振りパンチは全く当たらない

アンディがリズミカルにワンツースリーを放つが、ここはうまくかわすバロッソ。

10-9アンディ。アンディのディフェンス・フットワーク素晴らしい。

2R

当たればヤバいフックを放つバロッソだが、アンディはバックステップで難なくかわす。空振りさせることでスタミナを削る。

バロッソの打ち終わりに軽く右フックを合わせるアンディ。バッチリ対策してきてるなアンディ。

アンディがプレッシャーをかけ、バロッソが下がる展開。アンディの硬いジャブがヒット

とにかくディフェンスが良いアンディ10-9アンディ

3R

お前はメイウェザーかと言いたくなるほど、完璧に距離を支配するアンディL字ガードだから余計に。

バロッソの左ストレート打ち終わりに、右フックをドンピシャ合わせたアンディ!少しバランスを崩すバロッソ。無理に追撃をしないアンディ。

バロッソは足を使う技巧派には弱いな。いくらパンチが強くても当たらなければ意味がない。

10-9アンディ

4R

鋭い踏み込みから恐ろしい左ストレートを放つバロッソ。瞬時に下がりヘッドスリップでギリギリかわすアンディ

速くて硬いジャブでコントロールするアンディ。バロッソも前進しパワフルなコンビネーションを放つが、とにかく当たらない

相手が強いほど本領発揮するタイプなのかアンディ。10-9アンディ

5R

いきなりバロッソの左ストレートにカウンター右フックを合わせるアンディ!バランスを崩すバロッソ

冷静なアンディは無理をしない。ひたすらジャブを放ち、何度もバロッソの顔面にヒット

アンディのワンツー左ストレートが浅めにヒット

またしてもバロッソの左ストレートにカウンター右フックを合わせるアンディ!よろけるバロッソ。このパターン何回も当たるな。

それとアンディのカウンターパンチ速すぎて、スローで見ないとよく分からない。。。

10-9アンディ

6R

このまま判定にいけば間違いなくアンディの勝利。バロッソが勝つには逆転KOしかない。

手数は少なくても有効打・ディフェンス技術・リングジェネラルシップで優位に立つアンディ。

するとまたしてもバロッソの左ストレートにカウンター右フックを合わせるアンディ!バロッソがダウン!!

効いたというよりはバランスを崩してのダウンだが、ダウンはダウン!

終了間際には左オーバーハンドもヒットさせたアンディ

10-8アンディ

7R

足を使いながら休むアンディ。バロッソ手数が出なくなってきた

勢いよく左ボディーストレートを放つバロッソだが、難なくかわすアンディ

終了間際には右ショートフックをヒットさせ、フック・アッパーのコンビネーションを叩き込んだアンディ。しっかり見せ場をつくる。

10-9アンディ

8R

距離を詰めるアンディ。倒しにくるか。

バロッソの執念も凄まじい。カウンターを恐れずフルスイング。だが当たらない。

クリンチの離れ際に左ストレートをヒットさせるアンディ。だが今度はバロッソの左ストレートが浅めにヒット。油断は禁物。

さらにバロッソのジャブ・左ストレートがヒット。ダメージはない。

終了間際にはバロッソがコンビネーションを放ち、アンディがカウンター右フックを合わせにかかるが、両者ヒットせず。

微妙だが10-9バロッソ

アンディは右眼の下をカットし流血。バッティングではなく、ヒッティングによるもの。

9R

鋭く正確なジャブをヒットさせ優位に立つアンディ。

アンディは接近し左オーバーハンド、右ボディーアッパーと続けてヒット

するとアンディの左オーバーハンド、右アッパーがクリーンヒット!よろけるバロッソ

コーナーに追い詰め、猛ラッシュをかけるアンディ!右アッパーが入った!バロッソたまらずダウン!!

なんとか立ち上がるバロッソ。そして再開。

闘志を捨てず左ストレートを放つバロッソに、カウンター左ストレートを合わせるアンディ!効いた!

追撃の左ストレート、右アッパーがヒットし、バロッソがダウン!!

テンカウントぎりぎりで立ち上がったバロッソだが、ダメージは明らかでセコンドが棄権!

試合終了!平岡アンディの9RTKO勝ち!!

パーフェクトな内容だった

試合結果

平岡アンディの9RTKO勝ち!!

階級No.1の威力を誇るバロッソのパンチをさばき切り、何度もカウンター右フックを合わせ、3度ダウンを奪い完全勝利

そして正規王者ホセ・バレンズエラへの挑戦権を獲得。期待のホープと言われ続けた平岡アンディがようやく世界初挑戦となる

感想

正直平岡アンディを舐めてた。まずジャブが良いよね。硬くて速い。

フットワークは軽やかだし、抜群の動体視力でパンチをとにかくもらわない。その動体視力を活かし、カウンターパンチもバンバン合わせる

それに加えてリングジェネラルシップ(主導権支配)をとるのが上手い。手数は多くないが、各ラウンド優位な印象を残す。

次はピットブルに勝った正規王者バレンズエラとの対戦だ。ピットブル戦のバレンズエラと今回のアンディを比較すると、ファイトスタイルが似てる

どちらもアウトボックスが得意で、パンチを見切るのが上手い。高度な技術戦になるのは間違いない。

コンビネーションの多彩さとパンチのキレはバレンズエラがやや上。だがディフェンス技術とポイントを落とさない試合運びはアンディが上。

つまりどういうことかというと、集中力の差で平岡アンディが勝つだろう。現在全階級で最も混沌こんとんとしていて、ハイレベルなのがスーパーライト級。だが平岡アンディなら誰が相手でも勝負論ある

今後も平岡アンディの試合を特集していく。

隻眼カズキ

網膜剥離で片眼を失明しました。眼科検査の仕事をしてます。トレーニングが日課でSASUKE予選会に3度出場してます。
ボクシング観戦にハマるきっかけになった試合は井上尚弥VSオマール・ナルバエスです。
当ブログではアップセット(番狂せ)が起きそうな対戦カードに注目し、試合記録を投稿していきます。

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