身長差・リーチ差なんて関係ねぇ「レイ・バルガスVSニック・ボール」

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2024年3月9日(日本時間)

WBC世界フェザー級(57.15キロ以下)タイトルマッチ

レイ・バルガス(王者)VSニック・ボール(WBC同級1位)

開催地: サウジアラビア

配信: DAZN

身長差15cmリーチ差22cm。同じ階級とは思えない体格差。バルガスが大柄なわけではなく、ボールが極端に小柄なためである。その分筋肉量は凄いが。ボールが初の世界王座獲得なるか注目。

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選手情報

レイ・バルガス

生年月日:  1990年11月25日 (33歳)

国籍: メキシコ

プロ戦績: 37戦36勝(22KO) 1敗

現WBC世界フェザー級王者

元WBC世界スーパーバンタム級王者、世界2階級制覇王者

身長172cm・リーチ179cm・オーソドックス

過去の対戦相手: 亀田和毅(⚪️判定3-0)、マーク・マグサヨ(⚪️判定2-1)、オシャキー・フォスター(⚫️判定0-3)

ファイトスタイル

実績・知名度は十分。基本はリーチの長さを生かしてアウトボックスするスタイルだが、マグサヨ戦では打ち合いの強さも見せつけた。パンチ力はないが、持ち前の気持ちの強さで相手よりも数多くパンチを打ち込む。

直近の試合では3階級制覇を狙い、スーパーフェザー級でオシャキー・フォスターと対戦したが完敗。フェザー級が適正だろう。

ニック・ボール

生年月日:  1997年2月28日 (27歳)

国籍: イギリス

プロ戦績: 19戦全勝(11KO)

身長157cm ・リーチ157cm ・オーソドックス

過去の対戦相手: アイザック・ドグボエ(⚪️判定3-0)

ファイトスタイル

超小柄・肉厚マッチョ。ボクサーとは思えない体型。見た目から分かるように鬼フィジカルで頑丈、それに加えて動きは機敏。フック、アッパー、ボディーを織り交ぜた高速コンビネーションにはセンスを感じる。

攻防分離のため、相手からするとカウンターの恐さはないか。直近の試合では元世界王者ドグボエに完勝して勢いに乗る。

注目ポイント

バルガスがリーチ差を活かして距離を保てるか、ボールがふところに入り込んでインファイトに持ち込めるかで勝負が決まるだろう。

カズキ的にはボールのKO勝ちを期待

試合解説

ニック・ボールはシンプルな入場でリングイン。体の厚みが凄い

レイ・バルガスは映画の王様のようなコスチュームと曲で入場。

身長差がかなりある。ボールがいかにふところに入れるかが鍵

1R

バルガスがリーチ差を存分に生かして遠距離からジャブを出す。やはり接近戦には持ち込ませない作戦か。

ボールは鋭い踏み込みから左フックを振るが届かない。

中盤バルガスが右・左左とボディーをヒットさせる。ボールが飛び込んできたら、素早いバックステップでかわす。上手い。

何気にバルガスの右ストレートが強烈。ガードの上からでも効いてきそうだ。

ボールは心地よく戦えてない。終了間際にようやくジャブを1発顔面にヒットさせた。

バルガスが上手くボックスしている。10-9バルガス

2R

積極的に飛び込むボールに対して、バルガスはフットワークを使い距離を取る。

バルガスは時折カウンターを合わせにかかるので、ボールも不用意には近づけない。

中盤クリンチの離れ際にボールが連打の中で左アッパー、右フックをヒットさせる。

バルガスは一旦距離を取り遠くから右ボディーフックをヒット

ボールはプレッシャーをかけてはいるが、もっと手数が欲しい

10-9バルガス

3R

ボールが上手く懐に入るようになってきた。と思ったところクリンチの離れ際にボールがバルガスを投げ飛ばす。何やってんだ。

バルガスはジャブ、ワンツーと手数を多く出すが、ボールは堅いガードでまともにはもらわない

ボールは手数は少ないがジャブが当たるようになってきた

微妙なラウンドだが10-9ボール

4R

ボールが圧力を強める。被弾覚悟で踏み込み強打を振るう。バルガスはやりづらさを感じてきたか

バルガスは上下にコンビネーションを打ち分けるがボールは上手くブロック。

ボールはジャブ、右ボディーと着実にヒットさせる。手数はバルガス精度はボールの展開。

終了間際にはボールがロープに詰めてラッシュをかけると、今度はバルガスがロープに詰めてワンツー連打を放つがボールにカウンター左フックを合わせられてラウンド終了。浅めだったためダメージはない。

10-9ボール

5R

両者打ち合いの姿勢が強まってきた。手数とコンビネーションの豊富さはバルガスだが、威力と精度はボールが上回る。

中盤バルガスのボディーショットが立て続けにヒット。後半はバルガスが足を使い逃げ切り終了。

10-9バルガス

6R

序盤近距離の打ち合いでバルガスがカウンターのジャブ、ワンツーを上手くヒット。続けてボディーショットもヒット

中盤バルガスがローブロー。ボールはおいおいというジェスチャー。

ボールも反撃。ロープに詰めて上下にフックを振り回すが、バルガスは上手く対処しパンチをもらわない。

後半ボールはプレッシャーをかけ続けたが、バルガスにジャブ・右ストレートをカウンター気味に合わせられ、ボディーも打ち込まれ劣勢なまま終了。

10-9バルガス

7R

前半ボールが飛び込んできたところにバルガスが抜群のタイミングでカウンター右ボディーをヒット

今度は揉み合った後にボールが右ショートフックをヒット

ラウンド後半ボールの強烈な右オーバーハンドがクリーンヒット!これは効いた!バルガスは足を使い逃げ落ち着かせる。

だがボールの強烈なカウンター左フックが炸裂さくれつよろけるバルガス!ダメージは明らかだがバルガスは逃げず打ち返す。

ボールの右ショートが綺麗にヒット。負けん気の強いバルガスはボディーショットを中心に反撃する。

終了間際にはボールがバルガスをロープに詰め猛ラッシュをかけ着実にヒット。終了のゴングが鳴った直後にボールのカウンター左フックがヒットキレたバルガスが詰め寄り両者頭を押し付け合う。主審が両者を離す。

今日1番の盛り上がりを見せたラウンド。明確に10-9ボール

8R

バルガスは距離を取りボディーストレート、ジャブを中心に仕切り直す。ボールはプレッシャーをかけインファイトに持ち込もうとする。

ラウンド終了直前、クリンチの離れ際にボールがバルガスを投げ、バルガスがバランスを崩したところにボールの左フックがクリーンヒット!バルガスがダウン!

ゴングは鳴り終わったが主審はカウントを数えダウン判定。バルガスはおかしいだろと言わんばかりのジェスチャー。

確かに投げ飛ばして追撃でのダウンはグレー。スリップ気味にも見えたし。。。

ダウンを奪ったため10-8ボール

9R

ひたすら前に出続けるボール。両者近い距離で打ち合うが、パワーで劣るバルガスは下がる

ボールは疲れを見せない凄いスタミナだ。

バルガスがボディーショットを打ち込んできたところに、ボールがカウンター右ストレートをヒット

バルガスは疲れが見られ効果的な攻めができなくなってきた。終了直前にはボールの強烈な右ボディーショットをもらった

10-9ボール

10R

序盤ボールの強烈な左フックがヒット!少しぐらつくバルガス

今度はバルガスが強烈な右ボディーフックをヒット!バランスを崩したかよろけるボール

バルガスはクリンチが増えてきた。ボールはラウンド終了までプレッシャーをかけ手数を出し続けた。

積極性10-9ボール

11R

このラウンドも同じような展開。プレッシャーをかけビッグショットを狙うボール

バルガスも必死にボディーショットを打ち返すが、ボールのコンパクトな右ストレートをもらう

ボールはスイッチして左ストレートを放つ工夫もしてきた。バルガスは逃げるだけで手数が出ない

終了間際、ボールが猛プレッシャーをかけ右フックを炸裂!バルガスがダウン!これは明確なダウン!

バルガスはすぐに立ち上がる。回復力は凄い

なんとかボールのラッシュを凌ぎ終了。

ボールがこの試合2度目のダウンを奪った10-8ボール

12R

泣いても笑ってもファイナルラウンド。

バルガスは最後の力を振り絞って打ち合おうとするが、そうさせないボールの圧力。恐ろしい。

結局防戦一方になるバルガス。ボールは貪欲にビッグショットを狙う。両者大きな見せ場なく終了。

積極性を評価し、10-9ボール

ボール陣営は勝利を確信してるのか、すでに歓喜に湧いてる。バルガス陣営も勝利をアピール。

カズキ採点では116-110でボールの勝ち

果たして結果は。。。

試合結果

ジャッジ1人目114ー112バルガス、2人目116ー110ボール、3人目113ー113

1-1の判定でドロー!!??嘘だろ…

観客もボールの勝利を確信していたのか、疑惑の判定に場内ブーイングの嵐

バルガスは安堵あんどの表情、ボールは納得のいかない表情

感想

うーん。前半はバルガスがポイントを取っていたとは思うが、後半は積極性・有効打の面で明らかにボールが支配していた。それに2度のダウンを奪っている

どう採点したらバルガスの勝ち・イーブンになるんだ??

後半はバルガス逃げてるだけだったぞ

まあドローでまだ良かった。試合を通してボールのスタミナ・打たれ強さ・フィジカルの強さに驚かされたディフェンスも良かった

近いうちに再び世界戦のチャンスが回ってくるだろう。今後もニック・ボールの試合を取り上げていく

隻眼カズキ

網膜剥離で片眼を失明しました。眼科検査の仕事をしてます。トレーニングが日課でSASUKE予選会に3度出場してます。
ボクシング観戦にハマるきっかけになった試合は井上尚弥VSオマール・ナルバエスです。
当ブログではアップセット(番狂せ)が起きそうな対戦カードに注目し、試合記録を投稿していきます。

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